いちごのヘタ

頭の中にいれておいてもしょうがないこと

純粋な第一印象を守る 2020/06/06

一日総じて「なにもしない」をした。劇場版プーさんをなぜか映画館で観たことを思い出した。あそこまで壮大に忙しく過ごしているわけではないが、あえて意識的になにもしないで過ごす一日は最高にストレスを感じなかった。スマホでゲームを進めながらハチクロを読み進めて、洋服を整理しながらネトフリで海外コメディを流し見た。

慢性的に壊れていたお腹の調子が今日になって治った。昨日久々に酒を飲んだので、腹を壊す要素は十分にあったのだけど、そんなことはものともしないくらいには具合が良かった。自分の腹痛やそれに伴う諸々の症状は全部ストレスが関係しているものなのかもしれない。自分の身体の単純さにもはや笑えてくる。

リビングではなぜか反町版の実写GTOの再放送が流れていて、うどんを食べながら途中視聴。一体どのくらい展開が進んでいるのか最初は見当もつかなかったけれど、職員室のシーンで教師陣が鬼塚をべた褒めしてるシーンが流れた瞬間にドラマがかなり終盤であることに気がつけた。原作のクセの強いイラストで慣れてしまっているので、教頭先生役の俳優さんに気持ち悪さが足りないように感じた。

一昨日植え替えたニンジンが格段に成長した。土に含まれる栄養のありがたさを目視できる。母なる大地とはよく言ったものだ。こうなるとニンジンの切れ端から根っこは出てきているのか気になってしょうがないが掘り出すのはナンセンスなように感じるし、確認はしない。いまや母の日に購入した多肉植物よりも愛着が持ててしまっている。

18時まで、「なにもしない」をしていたら流石に罪悪感が芽生えてきたので、ずっと目を通していなかった企業の動画説明会の視聴を済ませる。会社の事業内容に関心を持って説明会を見てみたら担当人事の喋り方がやたら就活生に対して挑戦的な話し方。それに加えていらない部分でのフランクさが鼻について志望度が下がる。担当人事の態度が苦手でエントリーするのをやめた会社は4社目になるけれど、なぜあれがまかり通っているのだろう。ヤバい会社だから人事側がこちらに気を効かせて、マトモな感性の人が避けてくれるようにわざとああいう態度をとっているのかもしれない。雑な説明会は全部人事のSOS。そうであったらいいのにな。アレが真に人を呼ぶための説明会だとは思えなかった。

説明会参加後のアンケートフォームを記入。普通の流れだったら届くはずの自動返信のフォーム記入完了のメールが届いていなかったので、メールフォルダを掘り返してみた。結論としては、探していたメールは送られてすらいなかったようだが、アマゾンプライムビデオの新ラインナップ公開のダイレクトメールを見つけたので開く。

ネトフリと大方大差ないラインナップだったが、その中で少し気になっていたタイトルを見つけたのでリンク先に進んであらすじを確認し、ウォッチリストに登録。そのままページ下部に移動するとショッピングサイトのAmazonと同じ原理で作品のレビューが掲載されていたので、慌てて閉じた。

ネトフリとかアマプラとかのサブスクサービスにはレビュー機能は絶対にいらないものである。と胸を張って言える。自分がそのタイトルに先入観を覗いた状態で触れることの妨げになるものこそが、そのいち視聴者の感想でしかないようなレビュー文章と、申し訳程度の星での評価であるからだ。

そもそも定額制サービスに加入していて、その特典で見放題で見られるようなものであるだから、どんなに受け手の本来期待していなかったクオリティのものだったとしても、こちら側にはほとんど金銭的な痛手は受けないし、マイナスなものはない。だったら気になるものはどんどん取り込んでいけばいいだろうと思うのだが、それを妨げるような、品質を保証するものとしてレビュー機能が設置されている。これにより創作物に対する評価は万人によって異なるのに、自分の主観のネガティブな評価で知らない人がその作品に触れる機会を奪うような事態になるのはクリエイター側にとって不憫でしかない。

絶賛しかするな。というわけではなく、正確にいうならそれは他所でやってくれ、というのが正解かもしれない。例えるなら映画館のチケット売り場の手前で、そこでやっている映画の批評をメガホン片手に叫ばれてるようなものだと考えている。

映画の感想を共有したいのだったら、それが簡単にできてなおかつネタバレなどにも配慮できる外部サイトに記入するか、あるいは自分と価値観が重なる部分の多い友人とかに直接伝えてやってほしいと思っている。

映像作品を観る人間は、その作品自体を楽しんでいるのではなく、その作品をテーマに感想戦をすることにそれ以上の楽しみを感じる種類の人間がいることは自分も承知しているし、自分もその一部でもある。しかし、それをその作品の入り口となる場所でやらないで欲しいのだ。場所を変えてほしいのだ。そして、アマゾンプライムビデオはその感想戦の会場となるような機能を付けないでほしかった。あったら使ってしまうのが人間の性だから。そういう点でNetflixはいい。サイト内で出会ったタイトルに先入観を持たずに触れることができる。自分自身の第一印象で作品を感じられる。SNSの発達でこの第一印象で作品に触れることがめっちゃ難しくなっている分、なおさらありがたく思える。

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