いちごのヘタ

頭の中にいれておいてもしょうがないこと

机上の配線だけは片付ける 2020/05/06

起きて時計を見たら8時36分だった。昨日も全く同じタイミングで時計を見ていたかもしれない気がして少し不気味に感じた。家の中で一番日当たりの良い部屋を割り振られているので、その日その日の天気の良し悪しに、一家のなかで一番敏感になりつつあるが、今日の天気はずっと最悪だった。そのまま二度寝していたら下の階がガヤガヤと騒がしい、その音でハッと思い出す。月曜日にまとめた雑誌類をゴミ捨て場に運ばないといけないのだった。下は寝間着のスウェットに、何年着ているか覚えてないが、異様に物持ちのよいユニクロのパーカーを羽織って数年前にハマったアイドルのグッズのTシャツを隠しながらゴミ捨て場に向かう。今週の我が家からはかなりの量の資源ごみが出たらしく、車を使ってのゴミ出し。父親がほんの200Mくらいの距離を運転したのだが、ゴミ捨て場の近くに停車させるために進行方向と逆の車線に車を停車させる荒くれ者っぷりを発揮して自分は気が気じゃない思いをした。

トーストにツナとトマトときゅうりを挟んだものを食べた。ここ最近暑かったからずっと飲まずにいたホットコーヒーを久々に飲む。コーヒーの匂いにはなにか文化的なことをさせる作用があるように感じる。なんとなく済んだ気持ちになり机の周りを片付けた。机上にだらりと伸びていたPCとiPhoneの充電の配線を必要最小限の長さだけ垂らして残りを束ねた。漫画本と同じ棚に紛れ込んでいた村上春樹の短編集と、夏目漱石のこころを机上の本棚のコーナーに動かした。普段使用している下敷きがハンターハンターのもので有ること以外はかなり年齢相応の机になったと思う。対してモノを移動させたわけでもないのにかなり満足する整理整頓だった。配線の整理だけで机の体感面積が1.5倍くらい広くなるのを感じる。どんなところで仕事をすることになっても配線だけは気を使おう。

水曜日に更新される、大卒フリーターがカラスを飼いならしてる年下女子に片思いされながらグズグズと恋愛するアニメを見る。今日は写真家志望の大学生が登場した。自分はこういうアーティスト肌の大学生が出てくるフィクションに弱く、すぐに影響されそうになってしまう。ハチクロとかもろにクリティカルで、今でも思い出すたびにハチャメチャに貧乏しながら産みの苦しみを味わって叶わぬ恋愛にひたりながらなにかに全力で取り組んで空っぽになりたくなってしまうのだが、それに憧れるには自分は年を重ねすぎている。

なにかクリエイティブな感性や趣味を作りたいと思ってこうやってない時間を絞って文章を書いている日々だけど、これが夢や銭や、上記のような暑苦しい人間関係を生み出すことはないと思う。そこに行き着くまでにはスキルと粘り強さが足りない。起承転結と誰もが喜ぶどんでん返し要素を取り込んだ味のあるエピソードを原稿用紙300枚埋めきる慢心と盲目さ。身につけるなら今なのだけど、絶対にやらないしやれない。何かトリガーになる事柄と出来事を一生待っている。エッセイを読むのをやめて物語を死ぬほど読み込もう。図書館が空いたら。アフターコロナの指針がちょうど今一つできた。

2年前に友達の家で宅飲みしながらオールで進めたゲームの実況動画を見た。分岐ストーリーのボリュームが想像以上で、自分が一瞬でも操っていた登場人物が全く想像もしなかった結末を向かえる様子が印象的で7時間くらいの動画をまとめて見てしまった。以前からゲーム実況なるものは相当暇な人間じゃないと見ないもの、という偏見があったけれど、この期間にゲーム実況を見てその考えはより正しいものであったと自信を持って言えるようになってしまったかもしれない。こんだけ暇になったからこそ、ゲーム実況を見た。思ったより悪いものではないけれど、マジで暇な時間だけでいいや。

先輩が同棲している彼氏の使っていた古い携帯の中を覗いて、ラインやメッセンジャーの履歴を確認したいのだけどどうしようと悩んでいた。止めもしないし好きにすればいいと思ったが、やはり恋人の交友関係は気になるものなのか。自分が狂ったように恋愛していたときに、おかしくなるくらいに相手のことを気にしていたことがあったが、携帯の中身まで気にするような根っこのプライベートまで侵略することは考えもしなかった。自分のことで手一杯だったからかもしれない。相手の交友関係まで気にする精神の余裕が生まれてしまうと自分でどうにかできないことで悩む羽目になるので、意外と自分のキャパが狭いほうが負担の少ない人生を送れるのかもしれないと思うようになった。

昨日サボった筋トレを今日から復活させた。アイシールド21で聞きかじった超回復的なものを想像して少しはラクになっているかもと考えたが、現実はそんな甘くなかった。少ない運動量でもしっかり筋肉は負担を感じていた。

やることがなくなってきて、18時に風呂を済ませた。手持ち無沙汰さを感じて掘り出した洗い流さないトリートメントを意味もなく使った。いい加減髪を切りたいが我慢。じわじわと降り続いていた雨が強くなってきて、雷も鳴り出した。ウイルスが考えられないくらいに流行って、夜中には地震が2日連続で起こって、そして今日は長いスパンで雷が過剰に存在感を発揮する日々。世界は本当にどうにかなってしまうんじゃないかと不安になった。ただでさえ将来に不安を感じている時期にこれ以上不安にさせないで欲しい。

昔友達に「今世界が終わったとしたら、今まで頑張ってた同世代の人間は頑張りが報われる前に今まで頑張ってきたものがぶっ壊れるのでメチャクチャに損だけれど、自分はそんなに物事を頑張ってないので、その人達に比べるとエネルギーを無駄に使わなかった分だけ報われる、だから世界が終わってほしい気持ちもなくはない!」みたいな強がりを吹聴したが、そんなのはただの詭弁。心底平和を望む。生暖かい環境で生ぬるい不幸に悩まされながらそれと同等の温度感の幸せに浸りたい。

ゲーム実況のシリーズを見切ったくらいしか成し遂げたことがなかったので、一日を無駄にしている気分になり、一日を取り戻すために酒を飲んだ。足りないものを補うための飲酒。程よく気持ちよくなりながらこのブログに取り掛かっている。頭がいつもよりも回っていないのが自分でもよく分かる。満たされない気持ちを埋めるためのアルコールが、このブログのただでさえ低いクオリティを、また一段と下げているのを感じる。そして今、自分が酔っていることを文章に起こしたら自分の身体が自身の体内のアルコールを過剰に意識し始めるのを体感している。酒を入れながら、文章を書くには人生経験が足りていない。安直な自分を呪いながら、昨日見始めたリバーデイルを見て大人しく寝ることにする。