いちごのヘタ

頭の中にいれておいてもしょうがないこと

著名人マジックでハッピーになれる人種になりたい。 2020/05/03

起床。1.5度寝くらいのところで完全に起こされる。30分で支度して家を出るぞ!と急かされたが実際に出発したのは1時間後。埼玉の奥に、墓参りにいく。不要不急なのは明らか。

オアシズ大久保佳代子がパーソナリティを務めるラジオを聞きながら、教習所以来の高速道路の運転。速度が出る割に難易度は優しいけれど、自分が許容できない速度をある程度の安全に包まれて移動している感覚はやはり慣れない。

ラジオの人生相談、3つくらい内容入ってきたけれど、全部パーソナリティに拾ってもらう、で完結する悩みのように思えた。彼氏が自分のやることを頭ごなしに否定してきて嫌だけど、好きだし別れたくない!という質問には、自分を大事に別れましょう!とパン!と返され、親を安心させたいが、自分のやりたい仕事には親を安心させられるような安定感はない…という質問には、自分の人生大事にしよう!ではい解決。

多分初対面のさのでも同じこと返せると思うのだけど、相談者が欲しいものは悩みが読まれた、という実績であって、悩みを抱えた自分に大久保佳代子が振り向いてくれた瞬間にゴールなのだろう。9.9割現状が変わらなくても、著名人に自分の悩みを触れてもらった。その事実だけで生きていけるラジオリスナーは決して少なくはないのだろうな。

自分はその境地には行きつけない。いや、でも、けど、だっての4つをこねくり回して少しだけ話しの矢印を示されたとしても、悩みに関しての進捗を初期化してしまうだろう。著名人マジックでハッピーになれる人種になりたい。いやもっと言うならば、他人の悩みに当たり障りないことを話すだけでありがたがられる人間になりたい。あれやってる側脳内が快感物質で満たされすぎて困り果ててそうで心底羨ましい。そうでないとインスタの質問コーナーだって流行らないし、だれもマシュマロを投げ合おうなんて思わないはずだ。人はだれだって責任を伴わないレベルで他人から頼られたい生き物なのだと思った。

 

多分小学生ぶりくらいに墓参りに行ったんだろうな。いろんな場所の記憶があやふやだった。山の近くの、居住区にも、観光地にも振り切れていない、中途半端な田舎。そんなところのスーパーで供える花を買いに行った。買い物の量が多いかもしれない、とのことなので両親に付き添いを頼まれてスーパーを家族3人で闊歩した。意図せずに自分が最近嫌悪感を覚える「緊急事態宣言のなか、自粛に飽きてしまい暇つぶしに家族総出で買い物に向かっているファミリー」そのものになってしまったのが本当に嫌だったので、両親とは無関係のふりをして、わざと距離を取って、地元の一人暮らしの若者を演じた。誰に対して言い訳をしているかはわからないが、自分には必要な行動だった。

会計を待っている間に、袋詰めスペースで騒いでた中学生の集団を眺めていた。ヤンキーともいえないし、かといって真面目そうな印象を持つことも難しいような、良く表現するなら現代的な、悪く言うなら不健康な、3人組を眺めていた。地方自治体とかで勝手に「毛呂山っこ」とか呼ばれてるんだろうな。とか考えちゃって、あまりにもダサすぎて勝手に可愛そうになってしまった。

 

スーパーから車を走らせて10分。自分と父親は一回も会ったことのない母型の祖父の墓に到着。母親は肉親であるからともかくとして、父親はわざわざこんな状況のなかで外出してまで声も聞いたことのない人間の墓の掃除のために文句もたれずに付き合っている。なんでここまで親身になれるのかわからない。父親には何が見えているんだろう。結婚するとそういうことを考えるのも面倒くさくなるものなのだろうか。

 

30分くらいで掃除を済ませて、近くにある湖のほとりに車を停めてそこで昼食をとろう。と提案される。そんなことせずに帰宅してやるべきことをやるかやらないか悩みながらダラダラとしたかったが、自分に拒否権はなかった。中途半端な観光スポットの湖のほとりに向かう。人、車、人。駐車率100%だった。外だったらなんでもいいと思ってるのかマスクをしている人間も少なくて衝撃だった。ここにいる人間と自分は違う種類である。自分は連れてこられただけ。ずっとずっと自分の中で言い訳を繰り返した。

1月前、アルバイトのシフトのせいでなくなく緊急事態宣言のなか働いていたときも感じていたこととして、自分が外出してる事実よりも、世間から「緊急事態宣言を守れずに危機感もなく外出をしてしまう人たち」のカテゴライズに自分が放り込まれてしまうことにストレスを感じていた。今回もそうだ。自分は違う。ここの人たちとは例外なんだ。湖まで来ても車から一歩も降りないことで、世間にそれを訴え続けた。

 

かれこれ三時間くらい運転したらかなり疲れてしまった。風呂に入って一眠りしたら就活を始めようと思っていたが、たまたま見かけたデュエマのソシャゲをインストールしたら全部予定が狂った。あつ森よりも優先してやってしまってる自分がいた。おそらくすぐ飽きるであろうに、気がついたら5時間くらい溶かしていた。げんなり。あつ森の最低限のノルマをこなして、3時までには寝たい。明日はガンガンに就活を進めよう。俺ならできる。やらないだけ。これも誰に向けての言い訳かわからなくなっているが、とりあえずは世間全般に向けた全力の言い訳、ということにしておく。