いちごのヘタ

頭の中にいれておいてもしょうがないこと

4駅分のいらない悩み 2020/08/02

起きたらやらないといけないことを、やらないといけない。そう考えると布団から起き上がれない。しかも、そのやらないといけないことをやらなかったときに迷惑を被る人間が、自分自身だけなのだから尚更。自分はかなり自己肯定感が低いのだが、自己肯定感が低いってことは、自分を大切にできていない証。それゆえ、自分がダメージを食らえばそれで済む問題はだいたい自分が折れて解決している部分が多い気がする。それが一番ラクに思えてしまうため。刃物も、薬物も使わない自傷行為。それすなわち、自分のための行動をしないこと。

料理動画に感化されてオムレツづくり。画の中ですまし顔でオムレツを上手に作られると負けじと自分も挑戦したくなるが、そうそううまくいくものではない。そりゃあ誰でもポン!とできるものだったら動画になんかならないしね。自転車の乗り方講座、なんていう動画がバズらないのと同じ。誰でもできることには価値は生まれない。結果、ちゃんと失敗した。それに加えて行動目的が「オムレツを食べたい」ではなく「オムレツをきれいに作りたい」だったので失敗作を口に運んでいる時間の不完全燃焼具合はとてつもないものであった。

説明会の動画。だんだんと給与体系について触れる企業が少なくなっている気がする。それだけ口をつぐみたい部分なのだろう。深堀りはしない。志望動機をひねり出そうとしてもできなくて、それでも強引にひねり出していたら3時半にもなってしまった。電車に急ぐ。

目の前にスカートを履いているのに、足をだらしなく開いて座っている、どこか抜けた様子の女性がいた。マスクをしているが鼻はマスクに収まっておらず、どこか落ち着かない様子でかばんから携帯を取り出して、何かを丹念に調べていた。その女性の足元に白い何かが見切れたので正体を確認する。iPhoneに備え付けられていた、イヤホンプラグがライトニングケーブルになっているタイプのイヤホンだった。

おそらく彼女のモノなのだろう。向かいに座っている自分が拾ってやるべきなのだろうが、自分にはそれができなかった。なんとなくその女性から感じ取れる精神がやられてしまった人の異常性を感じ取ってしまったためだ。電車の中にいるだけなのにソワソワとした様子。画面を見てるはずの携帯から微妙に焦点のズレた瞳、そして、一般的な常識をどこかで捨て払ったような足のだらしなく開いた座り方。服装だって、年相応のものとは思えない、誰かに着せられているかのような対象年齢の低そうなワンピースに身にまとった女性の落とし物。

発見してから拾うかどうかためらって4駅くらいが過ぎた。結果、女性が自分で気がついてイヤホンは無事に拾われていたが、ここで悩んだ4駅分の時間こそが、自分の弱さであり、情けなさの現れであるように思えた。

バイトは日曜にしては無駄に混んだ。という印象。歩きながら飲んだビールの酔いが比較的早く回ってきたので身体的にはしっかり疲れていたのだと思う。飲んだあとのつけ麺、を半年ぶりくらいにやった。やってしまった。1000円近く飛ばして得られるものがつかの間の満足と、じわじわ残る罪悪感の2つのみ。悪いがコスパが良いとはいえない。食欲が満たされながら、ゆきぽよ安倍総理の給料に疑問を抱いたことに対して世間が無駄に騒いでいるニュースを知る。普段個人が何をどう思ってようが勝手だが、自分がごねても何も影響を起こせなかったようなことをインフルエンサーが代弁したことに関して過剰に喜んでいるアカウントはひどくみすぼらしく感じる。都合のいいときにだけ他人の恵まれたルックスに頼るな。

昔関わったダンスサークルの周年企画のために何かメッセージをくれとの依頼。5年前に薄くではあるが関わった人らと一緒に悩む。これもESと同じものなのかもしれないと思えた。参考に、と添付された資料と、作っているものから考えて「作り手が喜びそうなモノ」を考える。そこからそれに沿ったモノを作っていく。この作業は意外とやってて悪い気のしないものだった。こうやって、いろんな人の節目を祝う側の立場にあと何回立たされて、あと何回その場しのぎのエモーショナルを提供していくことになるのだろう。本当に大事な人の節目の機会まで、この作業に飽きが来ないといいが。