いちごのヘタ

頭の中にいれておいてもしょうがないこと

臆病者は千鳥にはなれないのだろうか 2020/07/23

コロナ渦の大学生に4連休なんて概念はない。ZOOMを眺める体育の日があっていいだろう。ぺこぱのツッコまないツッコミみたいなことを言いながら講義に取り組む。結構必死に悩んだ問題の答えが「解無し」であったことでハッとさせられる。少年漫画の知恵比べみたいな問題をつくるのは辞めてくれ。結局どの解答を選んでも正解だったようだったが、いまいち納得いかない。

少し遅めの昼食をとろうとしたらタイミングが良いのか悪いのか。昼の10時に家族が全員リビングに集合していた。最近はしょげた顔して寝腐っていることが多い愛犬も、こんなに人がいることが珍しいのか、テンションをあげて身体を思う存分に伸ばして全身を撫でろ撫でろ!とはしゃいでいる。その様子こそが、暦の上での休日を休日たらしめる一つの要因となっていた。

適当に腹ごしらえでもしようかなとキッチンに向かうと妹に先に使われていた。何回も何回も個別に料理をすると洗い物が多くなるので、まとめて調理してもらうように妹に頼んだらゲンナリとされる。ベーコンとトースト一枚頼んだだけなのに。昨日からずっと、幼い頃に妹にグーパンチをお見舞いしたことを思い出し怒りされているようで絶妙に面倒。小学校の先生が言い放った極論である「過去と他人は変えられない、変えられるのは未来と自分だけ」とかいう屁理屈が、過去の自分のやったことに対する言い訳のように使える日が訪れるとは。こうやって臭いものに蓋をしてやってくにはピッタリの言葉だ。多分これは一生忘れないし、忘れられないんだろうな。

週に一回のオンラインエクササイズ、生徒側のメンタル崩壊を訴えるSNSの声を受けてか、以前よりも生徒間のコミュニケーションを増やすようなカリキュラムに変更しているように思えた。にしてもやり方が強引。ZOOMでスクワットしながらしりとりって、これは一体どうしてこうなったんだ。学生側が訴えていたコミュニケーションの不足ってそういうことではないのだろうけど、まぁある意味でネタになったのでよしとする。

寝ても寝てもずっと眠れてしまう。人がポツポツと独り言を言いながらゲームを進めている動画、あれの睡眠導入効果がすごい。声質がいい人が淡々とゲームを進める様子を見ていると、スーッと昼寝ができてしまう。その人の実況がつまらないとかではなく、人がこちらに意識を向けているわけでもない、気の張っていない声を聴いているだけで安心できてしまう。最近食わず嫌いを辞めてyoutubeをチェックするようにはしているが、視聴時間の半分くらいは寝落ちしてしまっている自負がある。

屋外の水着タレントの撮影会にグイグイに食いついている写真家の画像がSNSで回ってくる。わざわざ6桁くらいの金額出して、バカでかいカメラ買っても撮影するものが女性の裸体って一体どうなんだろうと疑問に思っていたのだが、世の中にはそれ以上にくだらないものを撮影している人が存在することに気がつく。

各省庁の発表を要約してまとめてくれているネットニュースの中で、かなり民度の低いような出版社になると、わざわざ政治家たちがすごく憎たらしい顔になった瞬間や、間抜けに見える瞬間を狙って撮影した写真を見出しにしている記事を多く見る。今までに、あまりに多くのそういった画像を見てきてしまったせいで違和感を感じなくなってきたが、あんだけ長い時間シャッター切ってるんだったらもっと良い写りのものが取れるのではないか。とか考えてしまった。

いや多分わざと間抜けに見えるものをチョイスしてるのだろうけど、それならそれでなんと浅ましいものなのか、と感じられてしまう。誰かがそれを欲しがっているから需要が発生しているのは明確なのだが、それをわざわざ撮影することを生業にしていると考えると決して胸を張れるものではないのではないかと思う。それだったら、わざわざ金を払ってまで、若い女の半裸体を取ってるおじさんのほうが胸を張れるのかもしれない。あいつらは少なくともどうにかして良いものを生み出そうとしている。金銭の発生しないファインダー越しの美化された世界と、金銭の発生するファインダー越しの汚染された世界。どうせ切り取ってみせられるならどちらが見たいかと聞かれると前者。

一家が全員集合している珍しい機会。餃子を作り、食べる。普段よりもニンニクの欠片を多く使ったらしい。予定のない4連休ならではの配慮らしいが、素直にありがたい。餃子をつつきながら、バラエティ番組の千鳥の名場面集のようなものを見る。時々飛び出る個性的なツッコミのなかのワードのチョイスが絶妙で笑わされた。これを見て思い出したが、千鳥に影響された一般人の千鳥を意識した言い回しって、面白かった試しがないんだよな。やりたいことが中途半端に伝わってくる分、なんか余計にたちが悪いというか。

あの個性的なツッコミって、自然と自分の発してる言葉に自信が満ち溢れているような言い回しにせざるを得ないから、余計に難しいのかもしれない。どんなに汎用なワードのつなぎでも自信満々で利用しないと「それらしさ」が出せないから。下手に千鳥節に乗ろうとすると「なんか意味のわからないことを自信満々に言い放ってドヤってる奴」になりかねないので、かなりリスクのある芸風であることに気が付かされた。まぁ、リスクを顧みずに千鳥を真似られるメンタルは、様々な領域で応用が効きそうなので身につけたいところではある。だが、それ以上に自分は千鳥を真似て外したくない気持ちが勝ってしまう。臆病者は千鳥にはなれないのだろうか。