いちごのヘタ

頭の中にいれておいてもしょうがないこと

公共交通機関がニクい。 2020/07/15

朝から説明会と面接が憂鬱。布団から跳ね起きたくあるような予定が可及的速やかに欲しい。今一番やりたいことは自室のベッドにルパンダイブ。このまま何も予定のない余暇を過ごし始めることになったらどうしよう。とりあえず自分が買える最大限に高いマットレスとか買ってみて、安全なルパンダイブに挑戦する毎日を過ごしたいな。今のせんべい布団じゃ顎が折れる。

何度目になるかわからない説明会。お前は今まで食べたパンの数を覚えているのか?息をするように説明会に参加している。画面越しでいいって本当にラク。もうこの時期には出会えないと思っていた自分が関心の持てる業務内容。人事の適度な力の抜け方とか、もう全部が全部ぴったりハマったような気もした。このモチベのままES書いて、ずんずん選考進みたいと考えている。

ここでスイッチいれたいけど、いろんな講義で安直にレポートが出てくるのがじわじわ効いてくる。別に書くのはどうにかなるのだけど、書いたものがすぐに評価されないもどかしさと、その課題に取り組むことにあたって、自分の一日のなかでネガティブな事柄に取り組む時間が増えるのが嫌だ。自分がやりたいと思ってることをやれている時間が圧倒的に足りていないのに、その中からまた自分の時間が奪われているようで嫌だ。

昼食でも作ってやろうと思ったら父親が熱心に鍋物を仕込んでいた。なぜだか知らないがゆで卵を茹でていて、たまごサンドでもつくるのかと思って見ていたら、どうやら夕食のポテトサラダに使うものであるらしい。「母親だったらポテトサラダくらい自分で作ったらどうだ」なんていう高齢者の存在を知ってる自分からしたら、なんでこのタイミングでポテサラ作ってるんだよと思わず脳内でツッコミを入れてしまうが、その話題があったからこそ休みの日にポテトサラダ作ってる父親がとても丸く、暖かく見えた。

そんな暖かい父親を尻目に、自分の飯を作る。時間もないのでインスタントラーメンで妥協しようかと思ったが、今日もまだナスが余っていたので、ナポリタンのピーマンをナスに代替えしたパスタを作る。湯を沸かす時間も含めて15分足らずで作れる状況を客観視してみて、だいぶナポリタン作りが自分の身体に染み付いていることを実感。調理時間含めて20分近くで済ませる昼食はもはや餌だった。今の自分に足りていないのは時間とホットコーヒー。

対面面接に向かうために、オンライン講義をiPhoneで開き、ラジオのように聴講しながらバスに乗る。まさか大学の講師もこのような受講のされ方をされるとは思ってもなかっただろう。苦肉の策だけど、意外と聞けたし、理解もできた。

池尻大橋。予定の30分前に到着したものの、貧乏であるがゆえにカフェに入るのもためらう。駅前の広場のような場所に座れる空間があったのでそこで時間をつぶす。広場の先客の、普段何をしているのか全く想像もつかない、汚いヨレヨレのサイズが大きすぎる白ポロシャツを着て、裸足で革靴を履いているおじいさんが、やたら若作りをした40歳?くらいのご婦人にでけえ声でメモを片手にずっと話し込んでいるのを横目で見ていた。最初は女性が厄介な言いがかりでもつけられているものだと思っていたが、どうやらそうではないようで、お互いに大笑いしながら談笑に励んでいた。小雨交じりの曇り空の下、曇った顔のビジネスマンが頻繁に通り過ぎる駅前の踊り場のような場所での明らかなイレギュラーであったが、そこにはたしかにその人らの色のようなものが感じられた。多分アレと電車の車両が一緒になったら不快に感じる自分もいただろうが、あの空間で出会えたからこそ、池尻のヌシのようなどっしりとした存在感を感じられたのかもしれない。

面接。本当にこれは面接なのかどうか疑ってしまうくらいには和やかなもの。このまま新興宗教の発行している新聞なんかを渡されても、違和感なく受け取ってしまうくらいには和やかなペース。でも、自分の知識不足が故に相手の満足するような解答ができた自信はなかった。適正テストのフローチャート読み取りも満足にできたようには思えなかった。明らかに自分の準備不足でしかないのだけど、このままお祈りされるのは悔いても悔いきれないな。

面接時間と、試験時間で合計2時間近く拘束されていたようで、外はしっかり暗くなっていた。ちょうど帰宅ラッシュの埼京線に乗り込む。今日始めて工事後の渋谷駅の埼京線ホームを利用したが、「近い…」と声にだしてしまうくらいには移動距離が短縮されていた。これがあと3年早く実装されていたら間に合う終電も30本以上はあったのに。だんだん生活がおとなしくなってからこうやって環境が自分に適応していくのがなんだか悲しい。スーツ姿にビジネスリュックを持ちながら、傘を押さえてスマホをいじってつり革を掴むってどうやっても難しくて無駄に体力を使う。ギスギスした電車の空気からどうにかして逃避しようとネトフリを見ようとしたら日頃の怠惰からかAirPodsの充電が切れてしまう。生活音を聞きながら帰る。

対面面接の悪いところって、今の社会人になれていない自分を大量の社会人が囲んでくるような環境である公共交通機関を利用しないといけないところかもしれない。バスの出入り口でずっしり構えて道を塞いでいるあのオヤジもスーツに身をまとい勤め人になれているのに、自分は未完成。改札の直前でICカードの残高不足に気がついてあたふたしてる人間もちゃんとパンプス履いて、オフィスカジュアルな洋服で身を固めた勤め人なのに、自分は未完成。電車の中でビニール袋に包んだ缶チューハイを飲んでいるオヤジも勤め人になれているのに自分は未完成…。帰宅するだけでダメージを食らうので、世の中の勤め人は帰宅するまで気を抜かないでほしい。近くにいる就活生があなたの無自覚な非常識で小さくないダメージをくらい続けているので。