いちごのヘタ

頭の中にいれておいてもしょうがないこと

ホンモノは、大量の偽物に飲み込まれ息絶えた 2020/07/06

月曜。自宅の人間が異様に湿気に敏感なので早朝から自室のエアコンのドライ機能をフルに活用させられる。もはや寒いレベルだったがまぁしょうがない。結局昨日眠れずに3時半まで起きてしまったせいで、10時半からまた眠り直してしまったが、そのおかげで一日動けた。

なんの気なしにデュラララ!を見直す。自然とそれを真似したチャットに顔を出したくなったので顔を出してみる。顔も名前もわからない人間から「時速50kmで走る駱駝が40頭通り過ぎる時間を求めよ」みたいな曖昧な数学の問題を提示されて、偶然鉢合わせた3人と一緒にその問題に取り掛かった。

距離が曖昧にしか指定されていないので、手がかりになりそうな駱駝1頭あたりの全長の指定などはないのか?などと質問しても、「駱駝の大きさは関係ない」「ただ、駱駝が40頭通り過ぎる時間を知りたいだけなんです」とか言われて全然問題が進まず。ウミガメのスープのような哲学寄りの思想で挑む問題かと思い角度を変えて問題を掘り返そうとしても、まったく出題者はゆらぐことはなく、チャットルームを退出されてしまった。全然釈然としなかったが、昨日の日記の投票率の伸び悩みの部分で触れた「正解のない問題」に思わぬ形で出会えた。こういう「正解のない問題」を意図的に作り出すことって、やろうと思っても結構難しいんだな。出題者を少しリスペクトした。

嘘みたいな雨。外出なんか欠片もしたくないが、仕方なく日銭を稼ぎに電車に乗った。感想屋さんの感想がアップされていたが、そのジャンルの界隈のオタクから総バッシングされていて恐ろしさを感じた。RTが4桁ついてるのに、いいねが80弱しかついてないツイートなるものを初めて見れて、ある意味特別な経験ができたかもしれない。

ブログ、で思い出したけれど、元アイドルの辻さんのブログ。あの更新するたびにあらゆる角度からアンチが叩いてくることで有名な奴。あのブログには実はもうアンチなんかいないんじゃないかな。

初めの頃こそ、それこそ必死にブログの中の叩ける要素を探して親の仇のように叩こうとする熱心なアンチもいたのかもしれないが、時代は進んだ。現代は全部が全部コンテンツにされてしまう時代。万物コンテンツ時代。的のズレたアンチコメントはすぐさままとめサイトの記事などで拾われて、まとめられ晒し上げられて、エンタメコンテンツに消化されてしまう。アンチが行動をおこすたびにアンチが本来狙っている方向とは逆方面に物事が進行していくのだ。それで本来のアンチは手を引き、アンチコメントは収まるはずなのだが、まとめサイトに便乗した「悪ノリのなりすましアンチ」が登場し、わざと的のズレたアンチコメント(もどき)を量産するようになる。それが面白いと思っているから。

こうして、ブログの表面にはズレたアンチコメントがずっと継続して送られているようになっているが、実際のところその中身はアンチ(になりすました悪ふざけ)コメントであり、その、「もどき」のアンチコメントをさらにまとめサイトがまとめて記事にして…の繰り返しになっているのではないか。辻ちゃんのブログには、もうずっと昔にアンチコメントなんかはなくなっているのではないか。ホンモノは、大量の偽物に飲み込まれ息絶えたのではないか。とか考えながら電車に乗った。池袋に到着。

出勤次第、店内装飾用に自分の写真を寄越せと言われて写真撮影。写真はずっと苦手だったが、バイトの制服を着た瞬間にそういう感覚も投げやれるようになった。適当なポーズをパッと済ませられるようになったのはここ一年間での成長なのかも。そんなことを思いながら馬車馬のように働いて、一日を終えた。外で飲むビールは美味いが、雨だとその美味しさも半減かも。不安定な酔いを抱えながら埼京線に揺られる。

オンライン夜の街こと、ライブ配信。先輩が抱え込んだオタクたちが15分たらずで15万円分のCGエフェクトを購入して先輩を応援している姿が異世界のようで、声を出して笑えた。この感動の波に押されて、初めて気持ち程度の課金。1時間分のバイト代程度をCGエフェクトに変えて、その感動の当事者ぶることにした。あの世界のなかの「やりがい」を一番感じるであろう瞬間を立ち会えたことも、これまたいい経験。自分の中で処理できてないトピックを全部「いい経験」で誤魔化すのやめたいな。