いちごのヘタ

頭の中にいれておいてもしょうがないこと

暇人に救われる暇人 2020/06/22

スヌーズ3回で起きられるくらいの疲労を抱えながら起床。自分の中では好きな分類の雨。だだし外出の予定がない場合に限る。今日は夕方からアルバイトなのでそこまでには止んでいて欲しい。そう思いながら課題を片付ける。一つの課題を引き伸ばして二分割にした末の結果として、後半がグダグダになってしまったがなんとか完成。これだけ中身のないものを量産できるのって世界で自分だけなのではないかと胸を張れるような気にもなる。いやならねーよ。

やることをほっぽりだして雨の音を聞いていた昼前の十数分間。この時間が今日という一日の中で一番満ち足りていた時間であった。後輩が以前作業に集中するために雨音をBGMに流していたのを見て、そのセンスを小馬鹿にした覚えがあるが、なるほど確かに実際の雨音は確かにリラックスさせられる。スーッと自分が溶けていけるような感覚。ずっと雨音でいいのに。

アプリの配信に本気になっている先輩のために、その世界の通貨になるようなアイテムを集める。その前に先輩から生配信者の収益システムをヒアリング。結構アプリ運営側が色々細かく鼻先のニンジンを設定してくれてるっぽくて、これは確かにみんながみんな配信に躍起になるわ。と納得。底辺配信者の時給は30円程度らしいが、トップになればそれが100倍程度に跳ね上がるのだから、なんともまぁ夢のある世界。自分はそこで暮らせないだけ、愚直に生きねば。

人気の業界のオンライン説明会を受けて、軽く凹む。説明会の参加者数が多すぎる。し、モチベも格段に高すぎる。こんな模範的な就活生達がまだ就活市場にあふれているのか。自分に内定の順番が回ってくるのはまだまだ先のことになるのだろう。一時間の説明会の間に、その有象無象の就活生のやる気の波に飲まれてくたびれた。

そんな中でも、ひときわ異彩を放っているzoomアカウントにも目を引かれた。「弊社の説明会に参加した理由はなんですか?」という企業側からの問いが与えられた際に、みな一様に「業界に関心があるから」「貴社の製品に愛着があるから」などと100点満点の答えを放り投げているなかで唯一人、「暇だったから」と答えていたアカウントがあるのを見逃さなかった。他の就活生のやる気に辟易している中で、その「暇人」が目について離れなかった。彼、あるいは彼女の変な見栄はこのやる気の中で確かに我を保っていた。ある意味その暇人に救われた部分もあるのかもしれない。学生気分のアク抜きの作業である就活の中で、抜けきらないひときわエグみのあるアクをまだ持ち合わせている人間。この存在は自分にとっての支柱のようにも思えた。

雨の池袋は昨日よりもやはりくたびれていた。くたびれたスーツ姿の人間が発している邪気と湿度がそうさせているのかもしれない。現にバイト先の店長もかなり機嫌が悪い様子で、終始ピリつきながら作業を行った。昨日よりも一時間短い労働時間であったのに、疲労は今日のほうが大きくいち早くビールを流し込みたくなった。

退勤後、普段よらない方向のコンビニへ向かう。どうにもいつも使っているコンビニのビールが毎日ぬるめなような気がしていたので、ちょっと他の店舗のビールと比較してやろうと言う魂胆。結論からすると予想的中。その店舗が例外なのかもしれないが、今まで飲んでいたビールが馬の小便なのではないかと思うくらいには冷えていなかったことに気が付かされる。

しっかり冷えたビールにありつけた喜びに浸りつつ、昨日は見なかったくたびれた社会人と共に電車に揺られた。電車の中でバイト中に溜まっていたラインを返す。近い界隈の中でAVデビューした人がいるっぽくてその女優の正体の特定で盛り上がった。自分のスマホの画面を覗けるぐらいの空間に女性がいたのが気がかり。先輩がLINEのトークに何回もその女優のパッケージの画像を送信してくるので、会話の内容がわからずとも「AV女優の話題でLINEが盛り上がってる人」のように自分が周りに見えていないか心配だった。乗っている電車が通勤快速であったことが唯一の救い。

先輩ライバーの配信ランキングイベントの千秋楽を見届ける。オンライン夜の街って感じがしてよかった。ドンペリかぼちゃの馬車のCGに。モエシャンがかわいいライオンのスタンプに変化した、賞レース。これに初めに価値を見出せる!イケる!と思えた人すごいわ。高級食パン店の300倍は、考えた人すごいわ。と感じられた。